■アルミホイールの素材&製造方法の違い


■ アルミホイール
アルミに様々な金属を混ぜてアルミ合金で作られた軽量ホイールの事。

■ マグネシウムホイール
一般的にアルミ合金の成分のうち、マグネシウムが多く含まれる合金で出来たホイールの事。
マグネシウムは加工が難しく(硬いのと、ちょっとの火花から発火してしまう恐れがある)、材料費が高い為、
マグネシウムの成分が多くなれば、当然軽くなるが値段も高くなります。
マグネシウムホイールと言っても、成分が100%マグネシウムではありません。

■ 軽量ホイール


軽量ホイールを履いて、足回りを軽くする事は、ボディの軽量化以上に効果があります。
慣性力で水平に動く車体に対し、車軸に付けられた足回りはある程度自由に動く為、
軽くする事で路面の変化に順応し易くなります。
メリットとしては、乗り心地、ハンドリング、燃費の向上等が考えられます。
※一般的にバネ下:ボディ=1:15と言われていて、
バネ下1kgの軽量化がボディを15kg軽量化するのと同等の事です。

■ 鍛造(たんぞう)
アルミを圧縮する事によって製造する事をこう呼びます。
バランスが良く、材料が丈夫なため軽量に仕上がるのがメリット。
デメリットは材料が高く、加工が困難でコストがかかる他にデザイン面に限りがあります。

■ 鋳造(ちゅうぞう)
ドロドロに溶かしたアルミをホイールの型に流し込んで作る製法の事です。
メリットとしては加工が簡単なため、デザイン面で幅広い対応が可能となる事です。コストも比較的安い。
デメリットとしては、強度的には不安があるため、強度を高めようとすると重く、厚くなる事。

■アルミホイールの規格


■ JWL
メーカー、国土交通省が定めるホイールのメーカー強度規格の事。

この基準をパスしているかを確認、認定するのがVIAです。
市販のホイールには、この刻印が必ずされています。ただし競技用のホイールはこの刻印の無いものがあります。車検の際にここまでチェックされるかは不明ですがこの刻印がないものは車検が通りません。

■ VIA
ホイールの強度を定めている規格が前述のJWLと言い、そのJWL規格にパスしているかを確認・認定するのがVIA規格。VIAはメーカー以外の第三者という立場から、経済産業省(旧通産省)が定めている規格です。

■アルミホイールに使う用語解説


■ バランス(ホイールバランス)
ホイールをタイヤに取り付ける時、重量的な回転の中心を合わせなければなりません。
ホイールバランスを取らないと高速走行時にハンドルがブレてしまいます。
ホイールバランスのウエイトにはクリップ式と貼り付け式があります。

■ バランスウエイト
ホイールバランスを取る為に、ホイールに取り付ける「おもり」の事です。
バランスウエイトにはクリップ式と貼り付け式があり、
クリップ式はフランジ部分に打ち込み、貼り付け式はリムの内側に貼り付けます。
純正ホイールのほとんどが、このクリップ式で、ホイールバランサーはリムの両端に何グラムのおもりをつければ良いかを表示するので、クリップ式はホイールの裏表にウエイトを打ち込むようになります。
貼り付け式は、フランジ形状を持たないホイールのリムのインナー側にウエイトを貼り付けます。デザイン上すっきりしますが、端にウエイトを置く事に比べ、重いウエイトを貼り付けなくてはなりません。
社外ホイールを購入した場合は見栄え上、貼り付け式です。

■ ピース
一本の一体構造で出来ている物を1ピース、一体構造のリムにディスクを組み付ける物を2ピース、リムがアウターリムとインナーリムに分割されていて、それらにディスクを組み付ける物を3ピースと呼びます。
1ピースは一体構造の材料をNC加工で製品化するので比較的「真円度」を高くする事ができ、走行時の振れ対策に優れています。 2ピース、3ピースは、色々なリムとディスクを組み合わせる事ができて、バリエーションを豊富にする事ができます。

■アルミホイールのサイズと名称

ホイール各部の名称

ホイールのサイズ表示
16 × 7 JJ 4 114.3 +38
①  ② ③ ④ ⑤ ⑥
ホイールの大きさやリム幅は全てインチ表示です。
1インチは約2.54cmですので、16インチのホイールをcmに直す場合は、
2.54×16=40.67cmとなります。リム幅の計算も上記同様です。

①リム径(インチ) ②リム幅(インチ)
◇リム
ホイールの部分で、筒上になってタイヤを受け止める部分。
◇リバースリム
ホイールのリム部には凹みがついていて、その凹みは通常は、表に近い位置(ディスク面の辺り)にあり、凹みの分だけディスクが小さくなってしまいます。この凹みを内側にずらして大きく見せたり、アウターリムの深みを強調したりするホイールをリバースリムと言います。元は通常のリムの反対側に(裏返して)ディスクを付けた様な形となる為、リバース(反転)リムと呼ぶ様になりました。また、通常のホイールがディスク側からタイヤの脱着を行うのに対し、リバースリムでは裏側から行います。

③フランジ
タイヤがホイールの外に飛び出さない様にする部分です。
ホイールのサイズの中で、リム幅の後ろに付くJやJJと言ったアルファベットは、フランジ部分の形状を表す記号です。フランジ部分が高く、大きくなる程タイヤが外れ難い形状となり、記号はB、J、JJ、K、Lと変わっていきます。

④穴 数
4・5・6穴が一般的。ボディの重量が増す事により穴数が多くなります。SUVなどはほとんどが6穴です。中には8・9・10穴のホイールもあり、これらのホイールは下記のP.C.Dに応じて穴数が増えています。8穴なら、PCDが114.3用と100用の穴がそれぞれ4個づつあいています。9穴の場合は、PCDが114.3用か100用のどちらかで4穴にも5穴にも対応しています。

⑤P.C.D
ホイールをクルマに取り付ける為の、ボルト穴の中心を通る円の直径の事です。
P(ピッチ)C(サークル)D(ダイアメーター)の略です。

⑥ オフセット
ハブの取り付け面が、リムの中心線からずれている量の事を言い通常mmで表示されています。
中心より外(アウター)側にある場合はプラスオフセット、内(インナー)側にある場合をマイナスオフセットと言います。

⑦ナット座の形状
60度テーパー、球面、平面、などがあり形状が合わないと締め付ける事ができません。

⑧ ハブ穴
車両のベアリングキャップと干渉しないい様に、ホイールのディスク面に開けられた穴です。

■面位置セッティングを考えてみましょう


例:195/60R15 6J+45 を 30mm外に出したい場合(タイヤ幅は考えない事にします)

ホイールを6Jから7Jにする事により幅が25.4mm増えます。(1J=25.4mm)
リム幅が増えるという事はホイールを中心として内側と外側にそれぞれ増える事になります。
内側と外側、両方に増えるので(1J=25.4mm)の半分12.7mm増える事になります。
このときオフセットが同じ+45のままだと、外側には約12.7mmしか出ないことになります。
逆に内側にも約12.7mm増えますので干渉してしまうおそれがあります。
1J増やした場合は最低でも約12.7mmマイナス側に増やすのが基本です。

そうするとオフセットは45-12.7=32.3で約+32になります。
30mm外側に出したいのですから、このままだと外側に約25.4mm(1J分)しか出ていないことになりますので、
25.4-30=-4.6 になりますので、あと約4.6mmマイナス側にオフセットを変えます。
32.3-4.6=27.7(+の場合小数点切り上げ)ですから、オフセットは+28
と言うことになります。(-の場合切り捨て)

計算方法は
①現在のオフセット-増やしたリム幅÷2-外側に出したい値-増やしたリム幅=面位置オフセット
     45     -1J(25.4mm)÷2-{   30-  1J(25.4mm)}=+27.7(切り上げ=28)
外側に出したい値から増やしたリム幅の値がマイナスの場合は適応しませんのでご注意ください。

装着されるタイヤの幅や、サイドウォールなどの形状により異なりますので注意して下さい。
上記はあくまでも計算上の物ですので実際によく確認して下さい。
等ページでは装着されて不具合が出た場合でも保証は致しませんのでご了承下さい。